畳糸と縦糸の試作にて
ヒマラヤにて悪戦苦闘]
2006年ヒマラヤで作った麻糸 2008年日本国内で作られた麻糸
当時と出来るだけ同じような素材と技法を持って復元をしたいと思ったときに国内で見つけることが難しく非常に困っていた時期がありました。その頃考えたのがヨーロッパやアジアのどこかで探していたところスイスに行った時に使えそうなものが見つかりました。ですが、入手先がわからず方々手を尽くしましたがわからず、そして、次にであったのがヒマラヤ地域でした。右上の写真はヒマラヤで取り組んでいたい化学的な加工が無く、手撚りで作ってもらったヘンプ麻糸です。最初は糸が細かったり太かったり安定しなく、何度か問題を改善をお願いし作りましたが、現地の方のものづくりの考え方が違うことから畳に使える麻糸入手に悪戦苦闘しました。↑右の写真は2008年に日本国内で復元した畳表の縦糸。柔道畳復元の最終の年なってやっと出来上がった国産の麻糸でしたが、当初、断られ続けられます。そして、出来上がったのがこの糸になります。その後糸作りの人に1から詳細をお話したところ逆に「そういうことだったんだね」と納得していただき逆に感謝されるなど今となってはエピソードの一つになりました。この麻糸を作れるのも日本で1軒しかなく、世界トップの手作りの技術を持っていますが今後、後継者も無く心配されるところであります。
今でもヒマラヤでは化学的な加工が無く専属の人が手撚りで作られています。そうして何回か試作糸を手にした私は伝統柔道畳表の試作に入りましたが、ことごとく失敗します。上の写真はヒマラヤヘンプ糸を縦糸として作った畳表ですが、見るからに柔道の畳表とは程遠い品物が出来上がっていきました。この時期はヨーロッパ調査やヒマラヤ糸での試作の失敗の連続から伝統柔道畳復元の計画自体の断念を余儀されることになりそうな時期でした。
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