洗練されたエコロジー建築
 快適性能は訪れなければわかりにくいほど、とにかく室内は広々してゆったりしています。

 住宅ローンの考え方は日本と大きく違います。ここヨーロッパでもスイスでは、一般的にも技術の高い住宅の耐久年数がゆうに平均100年以上なるために、住宅は消費する資産とは考えません。仮に銀行の30年ローンを組んでも30年後に支払いを求めます。その間の期間は利子のみ支払うだけで良いのです。住宅が30年経っても50年経っても資産価値は落ちることはありませ。30年後に支払期限が来たのち利用者が全額支払うか、銀行に引渡すかを選択します。
期限が来て支払いを選択し、支払いを終えれば残り3〜4世代は、住宅ローンに苦しまなくてよくなります。おまけに新築から建て替えまで光熱費はほとんど掛かりません。住宅の維持も職人が手入れするなど大事に使われます。最初から安価な短い耐久年数建材・備品・家具など、あきのくるデザインを選択せずに洗礼されたデザイン、耐久性、効率、使い勝手、リサイクル性、安全性など様々な視点から考えられたものを選択されます。ですから、優れた職人によって考えられた製品が選択されます。満足ゆく製品や健康に配慮され尽くした住宅・食品・衣料から心の豊かさえ覚えますが、合理的な環境に配慮した人間第一主義をこの地から見る事が出来ます。日本より物価が高いといわれるスイスの一般建築にかかる費用は、2〜3割程度しか高くない。この差額は、光熱費や維持費、耐久性の違いがあるので、日本の方が3倍高いといわれている。
 職人の地位が医師より高いこの国では、職人を支えているのも国民・消費者なのです。決して手先が器用な日本職人は、技術的なものが劣っているわけではありませんが、環境や使用される人の安全など人体への影響を考えない作業人的な職人は選択されない時代に来ているのも事実です。
前へ 戻る 次へ